私たちが赤ちゃんだった頃、生まれるという体験は人生で最初の試練でした。私たちはお母さんの胎内にいる期間を過ぎて、自然分娩、帝王切開等いろいろな形でこの世に生まれてきます。この試練は人によっては様々な形でそののちの人生に影響を与えてきます。例えば胎児の頃の両親の関係(お父さんとお母さんは仲がよかったですか)、生まれ方(逆子等)で無意識に学んでしまうこともあるようです。

​そして人生の中でここぞというときに繰り返すパターンとして表れてくることがあります。

​私がリトリートで会った女性は小柄な私と比べても小さく、とても華奢な印象を受けました。彼女は全体的にびくびくとした雰囲気を漂わせており、どうしたのだろうと思っていました。その日は出産がテーマだったのですが、彼女の話は私にとって衝撃的でした。彼女がお母さんのおなかにいたときに、お母さんはがんの申告を受けていたのです。

彼女曰く、お母さんは自分自身に栄養を与えて養生しなくてはいけない時期に子供がおなかにいたので、子供に対して怒りを抱いていたというのです。話しながらぽろぽろと涙を流していました。

大人になった彼女を見ると、人に触れるのが嫌で、彼女が嫌だいやだというたびに周りの人が遠ざかっているのがわかりました。

ブレスワークもなかなか集中できないようで、長いこと身体を動かして、あっちをみたりこっちをみたりと落ち着かない感じでした。おなかの中にいるときにどれだけ母親の影響を受けているのだろう、とびっくりしたのを覚えています。人によっては生まれたときすでに大きな課題を抱えてきているのだなと実感しました。

これほど劇的な事柄がなくても出産というのは子供にとって人生最初の一大行事です。一大行事は乗り越えたものの、意識しづらい大小さまざまな心の傷を負うこともあります。

3月には、こうした内容をテーマにグループセッションを行ないます。